ついに卒業
実習も無事に終了して全てのカリキュラムを履修することができたのが、2012年の夏の終わりでした。
そしてクラスメイト達とPTAとして学部の卒業式に出席しました。
これもまたアメリカのイメージですが、卒業式では帽子を空高く投げるのかなと思っていましたが、そのような時間はあまりなかったように思います。
中にはグループでそういった光景を目撃しましたが、私がイメージしていたものではありませんでした。
卒業式へのアプライも自分で責任を持って行わなければいけませんし、申し込みが遅れたり、申請自体を忘れたりするとその時期の卒業式を見送らないといけないケースもあるので何度も申請が正しく行われているかを友人と確認したのを思い出します。
そのあたりもシステマティックに管理されており、案外卒業式は気軽に楽しいものというだけではありませんでした。
また私は知らなかったのですが、帽子のつばのところに付いてあるひもの束があるのですが、在学中の学生はそれを右側に垂らし、卒業式後はその束を左側に持ってくるみたいです。
そして最後にSIUCの関係者が、『Once Saluki, Always Saluki!!!』と叫び会場が一気に盛り上がり紙吹雪が舞いながらフィナーレとなります。
Salukiは我々の大学のマスコットでこの意味は、一度SIUCの学生になれば、いつまでもおまえ達は仲間だ!といったニュアンスだと思います。
学校に対する愛着、地元に対する愛着、国に対する愛着は凄まじいものを感じました。
国家試験
さて、肝心の国家試験ですがこれは日本と違って年に3回ほど実施されます。
また全てオンラインでのマルティプルチョイス形式の4択問題です。
一見簡単そうに思いがちですが、どれも正解の問題が多々ありその中でもシチュエーションを考慮してベターではなくベストの答えを選択する問題がとても多くあります。
また、200問中50問は正解の有無にかかわらず点数として加算、減点されません。
この50問は次回以降に新規問題として採用するのに妥当な問題かどうかを現行のテストに取り込み評価をするためのものです。
もちろん試験を受けている私たちはどの問題がそれに該当しているのかは分かりませんので、200問全力で回答します。
試験の進め方として、50問のセクションが4つ用意されており各1時間の配分で合計4時間で実施されます。
各セクションが終了すればもうそのセクションの問題は見返すことが許されませんので1時間で確実に50問を回答して見直しまでのタイムマネージメントが求められます。
また、試験を受ける前には空港のセキュリティにある機械を通りボディチェックが行われ、試験の部屋はこじんまりとした6人がけのパソコンの部屋ですがカメラが4方向から生徒を監視しています。
そんな中でもちろん全て英語の問題、中には難しい医学用語のあまり意味が分からず前後の文章から推測などをして試験を受けました。
8月に卒業して一番早い国家試験が10月でしたので、ダメ元で一度経験のためにと試験を受けました。
そして試験結果
その時は日本の家族や島田先生にも伝えていませんでした。
変に心配をかけたりしても良くないし、今回は受かるかどうかも分からずとりあえず経験のためにと思っていましたので。
点数としては800点満点計算でボーダーが600点でした。
詳しい計算の仕方は分かりませんが、とにかく600点を超えていればPASSと表記されているとのことでした。
試験を受けて2週間ほどするとその結果がインターネットベースでAPTA(アメリカ理学療法協会)とイリノイ州のライセンス取得合否のサイトにアップされます。
だめとは分かりつつも、その2週間はとても長く感じ、緊張していました。
そして約2週間後のとある朝6時、友人の電話でたたき起こされました。
「ケイタ、もう結果が出ているから早くネットを確認しろっ!」と興奮気味の声でしたが、彼は残念ながらその試験ではFAILとなっていました。
そんな親友も今ではテキサス州でPTAとして頑張って働いています。
そして私も恐る恐るネットで自分のIDとパスワードを入力してログインして結果を確認しました。結果は、604点/800点PASSでした。
今でもその感激は忘れることができません。アメリカに残り何か形にできた初めての出来事でしたし、すぐ島田先生に電話をして「試験受かりました!!」と興奮気味に話しをしましたが、もちろん試験の事を伝えていなかったので???となるかなと思いましたが流石、島田先生です。
「今こっち夜で晩酌しているからおまえの分まで祝杯あげとくわ!」とお洒落な返事をくれました。
つづきは次回へ>>アメリカ留学 その24 Bachelor Degree(学士)を目指して
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