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アメリカ留学 その15 アメリカでの初仕事

留学録

自分が活かされる職場

大学入学を決めた私は、同時に留学1年で貯金していたお金もほぼ底をつきアルバイトをしないと厳しいなと考えていました。

最初の1年は英語を覚えることに必死で、ましてや自分が働けるなんて想像もしていませんでした。

留学生の校内でのアルバイト人気1位の仕事はJanitor(ジャニター)と言って放課後など生徒が居なくなった教室の掃除、黒板消し、廊下のモップがけなどを行う仕事でした。

これなら英語を使わずとも、黙々と与えられたエリアを掃除することに集中すればいいのです。

最初私もこれに応募しようかと考えましたが、せっかくの機会で英語の勉強にもなり、自分の経験が活かせる仕事はないかと探していた時にぴったりの仕事を見つけました。

それは、身体に障がいを持った生徒や教授のパーソナルトレーナーとして大学のレクリエーションセンターでクライアントの要望に応じてトレーニングをサポートする仕事でした。

やればできる

これはクライアントと直接電話で日時を相談してトレーニングの希望を聞いたり、目標を設定したりとコミュニケーション能力がとても求められる仕事であると同時にしっかりとニーズにあったトレーニングを提供できるかも問われる仕事でした。

英語を話せる方は経験があるかも知れませんが、顔を合わせての会話よりも電話での会話は数段難しく感じ、顔が見えない不安と音声の聞き取りにくさで得意な人はあまりいないと思います。

そんな状況をまだ英語を勉強して1年そこらの留学生ができるのかとても不安でしたが、何とかなるものです。

私は2名のクライアントと4ヶ月間パーソナルトレーニングの契約を結び週に2~3回ほどトレーニングを行いました。

今思えば、その時期にそのような仕事を経験できたことがPTA学科のインターンシップなどでも大いに活かされたと感じています。

バートさんから学んだこと

また、その時のクライアントの一人でバートさんという方がいらっしゃいます。彼は先天性の四肢欠損で電動車いすで生活をされていますが、SIUCのリハビリテーション学科の教授です。

ここで言うリハビリテーション学科はPTA学科とは異なります。

彼とは今でもつながりがあり、「ケイタ!今年の8月に日本に行くから日本のリハビリテーション施設や大学を案内してくれ!楽しみにしている。」と連絡が来ました。

私が彼と初めてのトレーニングをする前日に彼からとても印象深いメールをいただきました。

“私は、私自身をハンディキャップだとは思っていない。世界に一つだけの造形物だと思っている。だから劣っているとも思わないし、そう見ないで欲しい。私の身体は、明日からケイタに預けるから責任を持って関わって欲しい!”と。

武者震いがしました。

果たしてどれだけの人がこのような事をはっきりと言えるのだろうかと思ったのと同時に、彼の芯の強さと彼がアメリカという国で生きてきたからこそのメッセージであると感じ、しっかりと受け止めました。

そんなバートさんは有言実行とばかりにトレーニングの最中に車いすからのトランスファーをする際も私に全体重を預けてきます。

信頼がなければできないことなのですが、初日から彼はそうでした。

こんな日本から来た英語も拙い学生に対して彼は全力でぶつかってきてくれました。

そんな出来事を仕事で経験させていただき、こうやって今も繋がってまた日本で会えることの嬉しさを今こうして原稿を書きながら噛みしめています。

こういった繋がりが私の人生を豊かにしてくれたと感じますし、これこそが以前にお話させていただいた留学で得た財産であると思います。

つづきは次回へ>>アメリカ留学 その16 アメリカでの車の必要性

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